本セッションの趣旨・意義
原子力発電の黎明期と建設期においては、科学・工学に裏付けられた技術根拠や規制基準の根拠・背景などを勉強しながら基本設計や安全審査/設置許可、工事計画認可などの規制手続、ハードウェアの設計・製造、試験・検査、現場据付、試運転、そして運開後は運転・保全など、一連の経験をすることが可能であった。
その後、原子力発電所の建設ラッシュの収斂に伴い、そのような一連の経験がしにくい状況となり、福島事故後はそれがさらに加速したため、技術伝承や人材育成が大きな課題であると認識されるようになった。
以上のような認識に基づき、保全 OB と若手(ここでは、40 歳以下の管理職でない人を想定している)の間で肩の凝らないフランクな意見交換ができる場を設け、上記課題を少しでも解消する一助となるよう本セッションを企画した。本セッションでは、保全 OB から保全上重要と思われる過去の経験について講演し若手と意見交換するとともに、若手からも保全に関する日頃の悩み、疑問、相談事等を講演して保全 OB と意見交換する。最後
に本セッション参加者全員で意見交換する。
「保全OB 若手交流」セッショへの参加要領
目的
原子力施設の現場実態の共通理解を深めるとともに、これまで築き上げられてきた多くの技術・知見を共有し、現状の課題を少しでも解消できるようにするため、保全OB と若手がざっくばらんな(率直な)意見交換を行う。
参加ルール
- 参加者は所属機関とは関係なく、個人として、一技術者として、一研究者として参加し意見交換する。したがって、参加者の発言内容は所属機関を代表したり、所属機関の見解等を表明したりするものではない。
- 参加者は、後日、発言内容を理由に誹謗中傷したり、発言者および発言者の所属機関の不利益となるようなことを実施したりしない。
- 参加者は上記の考えで参加していることをお互いによく理解し、建設的・生産的な意見交換を実施し、得られた情報や結果を活用して原子力施設の安全性向上につながるように努める。
- 若手以外の方々の参加も認めるが、意見交換を暖かく見守っていただきたい。
意見交換するテーマ(例)
保全関連業務全般
- 現場保全作業(作業員、要領書、仕様資機材)
- 現場管理/監理(要領書、工程、予算、QA/QC、異物、安全、他)
- 事故・トラブル対応
- システム・機器の設計検討評価
- 個別工事計画の立案・実施(内容、工程、予算、管理/監理)
- 定検計画の立案・実施(同上)
- 大型改造/修繕/新設計画の立案・実施(同上)
- 中長期設備修繕計画/運転計画の立案
- 規制手続(設置許可、工認/特認、使用前検査、他)
- 規制制度/規制実務の改善提案(規制基準、検査、他)
- その他
その他、保全に関連する事項
- 規格・基準の提案・策定
- 学術界/産業界の専門家との意見交換
- 自治体対応
- マスコミ対応
- その他
想定している参加者
保全に関連する業務、調査、研究等に取り組んでいる、または興味を持っている下記の方々- 原子力事業者の若手職員
- 原子力規制当局の若手職員
- 製造事業者(メーカ)の若手職員
- 工事会社の若手職員
- 原子力情報会社の若手職員
- 大学・研究機関の若手教職員
- 保全OB
- その他(上記に該当しない方の参加も歓迎するが、両者の意見交換や進行の障害となる発言や行動を禁止する。)
参加申込方法
-
- 本セッションはオーガナイズド・セッションです。事前に「保全OB 若手交流推進検討会」がセッション当日のプログラムを企画、調整して実施します。
- 本セッションで講演を希望する保全OB および若手の方は事前に保全学会事務局を通じて 「保全OB 若手交流推進検討会」へご連絡ください。講演内容が企画方針に合致する場合は、調整の上、プログラムに組み込みますが、ご要望に沿えないことがありますので、予めご了承ください。